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貧困が怒りの声さえ奪う

 内の2千万人が貧困ライン以下の暮らしだという。6人に1人が当てはまる。……

 週40時間働いて祝日も働くが、最低賃金では病院にも行けないと20代の女性が打ち明ける。高校、大学を出るために借りた奨学金も負っている。30年間返し続ける。その女性は「ちょっとの夢」がほしいのだと訴える。「子どもに好きなものを買ってやりたい。親孝行がしたい」。

 そうやって声を上げる若者が言う。声を上げる時間すらない仲間がいるのだという。働き詰めなのだ。貧困が怒りの声さえ奪っている。

 出所:日報抄(新潟日報)2017年10月16日

 

 うっ……。身を重ねて胸が痛い。

 今月のはじめ、副業で睡眠時間を削る日々が続き、自律神経の乱れにより体調を崩してしまいました。幸いなことに、睡眠時間とバランスのとれた食事を確保して、しばらく副業をお断りしていたら1、2週間で治りました。医療費に1万円かかりましたけど……。

 こういう体調不良がなかなか治らずに長引くと、先行きの不安からうつ病になることもあるそうです。健全な精神は健全な肉体に宿るとは、よく言ったもの。精神、肉体、そして仕事(収入)は、相互に影響を及ぼす関係にある。どこかを損なうと、全体に広がってしまう。このとき、ちょっとした貯蓄があれば踏みこたえることができますが、貧困にあえぐ者にそんな余裕はありません。貧しい者ほど、より貧しくなりやすい。

 

身を捨ててこそ浮かぶ瀬

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」という格言をご存じだろう。その意味といえば、一般的に「自分を犠牲にする覚悟があれば、物事はうまく行く」と解釈される。……

 しかし分析哲学が専門の野矢茂樹さんは「溺れそうになったらむきにならず、力を抜いて身を任せれば自然に体は浮く」と思っていたそうだ(「哲学な日々」講談社

 それというのも、ひたすら念仏を唱えた名僧が「死ぬ気で頑張れ!」とスポ根系の教えを説くとは思えないからだ。

 出所:「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」… | 越山若水 | 福井新聞ONLINE

 格言の由来は空也上人の和歌とされている。   

   山川の末(さき)に流るる橡殻(とちがら)も

   身を捨ててこそ浮かむ瀬もあれ

 「橡」とは、トチ、クヌギのこと。実はどんぐりである。「橡殻」とは、字面からはどんぐりの帽子の部分のようにもみえるが、浮いたり沈んだりするもののようだから、どんぐりそのもののことだろうか。川に流されるどんぐりを思い浮かべると、確かに、身を犠牲にする覚悟があればうまくいくというよりは、流れに身を任せたほうが好転する、という意味のほうがしっくりくる。