sleep like a log

新聞のコラムや社説をながめてみる

潜水服を開ける鍵

 る日突然、脳出血で倒れたフランスの男性の手記を読んだ。題名は『潜水服は蝶の夢を見る』。男性が病室で目覚めると、意識と記憶は元のままなのに頭のてっぺんからつま先までまひしていた。

 重たい潜水服に閉じ込められたような絶望感の中で、かろうじて動かせる左目のまぶたを使った意思伝達の手段を見つける。アルファベットを読み上げてもらい、望む文字が来たところでまばたく。それを20万回繰り返して文章を紡いだ。……

 <この宇宙のどこかに、僕の潜水服を開ける鍵はあるのだろうか?>

 出所:河北春秋|11月12日 | 河北新報オンラインニュース

 

 土曜日に塗ったマニキュアをとる暇もないまま、出社してしまいました。恥ずかしいからお昼は外に出たい。

 五体満足で、頭の働きもそこそこな感じで生まれ育ってきたけれど、ときどき、不運な事故で身体や脳に障害を受けたらどうしよう、という不安に駆られることがある。いっそ死にたいと思うのか、それでも生きたいと願うのか、そんな思考能力も残らないのか。街中で、一見してそれと分かる障害者を見かけると、どうしたってそんなふうに考えてしまう自分に恥ずかしさを覚える。これは仕方のない心の働きなんだけど。

 できれば苦しみたくないし、できれば楽に生きたいし、でも、何よりも、自分の頭と身体が動いてほしいと思う。こう考えてみると、心というのは、もろいのか強いのかよく分からない。環境に順応するようにできているはずなんだけれども、ものには限度があるし、つらいものはつらい。しかし、身体や脳より強いのかもしれない。

 そして、さらに、自分自身のことだけでなく、もし私の母が、とか、兄弟が、ということまで考えてしまう。この考えは、自分のことを考えるよりも、かなり怖い。それは結局、私の人生の一部でありながら、私の命の一部ではない。命に対して投げやりになることも、しがみつくこともできない。私は自分の家族を、なんとか救いたいと思い、同時に、うとましくも思うだろうことが予想できる。

 

貧困が怒りの声さえ奪う

 内の2千万人が貧困ライン以下の暮らしだという。6人に1人が当てはまる。……

 週40時間働いて祝日も働くが、最低賃金では病院にも行けないと20代の女性が打ち明ける。高校、大学を出るために借りた奨学金も負っている。30年間返し続ける。その女性は「ちょっとの夢」がほしいのだと訴える。「子どもに好きなものを買ってやりたい。親孝行がしたい」。

 そうやって声を上げる若者が言う。声を上げる時間すらない仲間がいるのだという。働き詰めなのだ。貧困が怒りの声さえ奪っている。

 出所:日報抄(新潟日報)2017年10月16日

 

 うっ……。身を重ねて胸が痛い。

 今月のはじめ、副業で睡眠時間を削る日々が続き、自律神経の乱れにより体調を崩してしまいました。幸いなことに、睡眠時間とバランスのとれた食事を確保して、しばらく副業をお断りしていたら1、2週間で治りました。医療費に1万円かかりましたけど……。

 こういう体調不良がなかなか治らずに長引くと、先行きの不安からうつ病になることもあるそうです。健全な精神は健全な肉体に宿るとは、よく言ったもの。精神、肉体、そして仕事(収入)は、相互に影響を及ぼす関係にある。どこかを損なうと、全体に広がってしまう。このとき、ちょっとした貯蓄があれば踏みこたえることができますが、貧困にあえぐ者にそんな余裕はありません。貧しい者ほど、より貧しくなりやすい。