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新聞のコラムや社説をながめてみる

大阪の地震

大阪府北部を震源地とする震度6弱の地震が発生した。約13キロと浅い地下で起きた直下型で、地震の規模はマグニチュード(M)6.1と推定される。京都で震度5強、滋賀は5弱だった。…… 地震の巣の上に人口密集地が広がる――。そんな地震列島・日本の現実を改め…

デジタルとアナログ

先日、会社の後輩から、大切な紙の資料を電子文書化していないことを不思議がられた。そうすれば効率的に保存できると言いたいらしい。アナログ世代は、ITやらSNSやらAIやら、もうついていけない。 デジタルが暮らしで幅を利かせる中、人生の先輩たちの地道…

買い物弱者

たやすく使うのがためらわれる言葉がある。例えば「帰宅難民」と言うときの「難民」。「災害弱者」と言うときの「弱者」。どことなく哀れむような感じが漂う。ただ、字面をじっと見ていると「難問だな」「弱ったな」とつぶやきが聞こえてきそうで、様子を言…

ネッシー

英北部スコットランドのネス湖には、怪獣ネッシーが生息するとの伝説がある。水面から長い首を出す恐竜のような姿をとらえた有名な写真は、後に捏造と分かる。しかし、目撃情報は多彩で、伝説は今も多くの人の関心を引き付ける。 国際的な研究チームが新たな…

手紙

文豪、夏目漱石が大の手紙好きだったことはつとに有名である。門下生に宛てて「小生は人に手紙をかく事と人から手紙をもらう事が大すき」と記したほどである。 残された書簡類は優に2500通を超えるという。……漱石が二人の学友に送ったはがき3通の原本が福井…

誰かの靴を履いてみる

英国在住のライター・ブレイディみかこさんの息子さんが通う公立学校で、期末試験にこんな問題が出た。「エンパシーとは何か」。息子さんの答えは「自分で誰かの靴を履いてみること」。他人の立場に立ってみるという意味がある英語の定型表現という。 「エン…

あこがれの名刺

整理整頓は苦手だが、名刺交換した相手の名刺をファイルなどにしまう前に、面会した年月日を必ず記入するようにしている。後日、いつ会った人だったかを確認できるからだ。これは上司や先輩から教えられたのではない。取材先の役所の職員らがそうしているの…

ミョウガ伝説

お釈迦様の弟子だからといってみんな賢い人ばかりとは限らなかった。チューラ・パンタカ(周利槃特)はお釈迦様から教えられたことを片っ端から忘れてしまう人物だった。 悟りを開くことができた周利槃特が亡くなり、その遺骸を土に埋めると、そこからいい香…

墓石に刻まれた名前

脚本家の向田邦子さんは、作中の人物を何と名付けるか迷うと、墓石に刻まれた名前を探して、墓地を歩きまわった。そうして生まれたのが主人公「寺内貫太郎」だったという。演出の久世光彦さんが晩年の随筆に書いている。…… 出典:中日春秋:中日春秋(朝刊コ…

議会における子連れ出席

米上院は先週、1歳未満児の入場を認める規則改正案を全会一致で可決した。……日本では昨年、熊本市の女性市議が乳児を連れて入り、厳重注意された。市議会はその後、事実上、子連れ出席を認めない規則改正をしている。米国とは何とも対照的だ。 熊本市議の行…

文机

「書くより大事なのは机の前に座ること」。98歳で亡くなる晩年まで書き続けた作家の宇野千代さんはものを書く秘訣をこう語った。…… ちなみに夏目漱石の文机は“木のダイヤモンド”と呼ばれる紫檀。磨き込んで飴色の深い光沢と艶を楽しんだ。谷崎潤一郎は吉川英…

藤原定家の日記

大歌人、藤原定家の日記はいつも天候の記述で始まる。1180年から半世紀以上も一貫した習慣だ。有名なのは「天晴る。明月片雲なし」。 のちに日記が「明月記」と呼ばれるようになった由来である。好日だったのだろうと想像したくなるが、実は事件が起きていた…

あるじ不在の家

あるじ不在の家は人がやたら立ち入り、キツネやフクロウもすみつく。鎌倉時代の末期、吉田兼好はそんな身近な例を挙げて説いた。〈虚空〉には何でも物が入る。われわれに雑念が勝手に入ってくるのも心に主人がいないからだ、と。…… 社会学者マックス・ウェー…

自分の顔なんか見てられない

イラク日報のバグダッド日誌が面白いと聞いたので、読んでみたいなと思っているきょうこの頃です。 むかし鏡を手に取り、つくづく顔をながめた僧がいた。映ったあさましさに思わずおののいた。内面のいやしさを垣間見てしまったのだろうか。以来、鏡を恐れる…

あなたがここにいてほしい

母校が大阪桐蔭から2点を取って(14点を取られたが)ちょっと浮かれている春の1日。21世紀枠っていいな~と思いました。桜もすっかり見頃です。サボってお花見に行きたい。 心からここに今いてほしいあなたがいない。そんな痛みを歌った『あなたがここにい…

枕元に畳んだ服

7時間睡眠じゃ足りないわ…。眠くて気絶しそう。 アニメ「サザエさん」のカツオ君とワカメちゃんは就寝時、枕元に畳んだ服を置く。…… 「基本的な生活習慣が、いざというときに命を守ります」。道教大札幌校教授で防災教育の第一人者、佐々木貴子さん(家庭科…

地域社会の浄化

法務省が「犯罪者」「地域社会の浄化」などの表現があった保護司への感謝状の文面を見直す。 夫は「浄化」ではなく、愛に満ちた温かい地域社会を目指していた――きっかけは、亡き夫に届いた感謝状の冷たい文言に違和感を覚えた妻の全国紙への投稿。47年続いた…

副業・兼業の推進

働き方改革の一環として、政府は副業や兼業を推進する。自由な働き方を広げることになろう。しかし、雇う側のしっかりとした労務管理がなされなければ過重な労働が生じる懸念がある。…… 副業や兼業のメリットについて、厚労省はスキルアップや所得増加などを…

微かなもの

大昔のアラビアなどでは夜空の星が兵士の視力検査に用いられたという。良いか悪いかの目安になったのは北斗七星のひとつミザールにくっついたように見えるアルコルだ。 「微かなもの」を意味するアラビア語に星の名が由来するという(異説あり)。…… 出所:…

潜水服を開ける鍵

ある日突然、脳出血で倒れたフランスの男性の手記を読んだ。題名は『潜水服は蝶の夢を見る』。男性が病室で目覚めると、意識と記憶は元のままなのに頭のてっぺんからつま先までまひしていた。 重たい潜水服に閉じ込められたような絶望感の中で、かろうじて動…

貧困が怒りの声さえ奪う

国内の2千万人が貧困ライン以下の暮らしだという。6人に1人が当てはまる。…… 週40時間働いて祝日も働くが、最低賃金では病院にも行けないと20代の女性が打ち明ける。高校、大学を出るために借りた奨学金も負っている。30年間返し続ける。その女性は「ちょ…

身を捨ててこそ浮かぶ瀬

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」という格言をご存じだろう。その意味といえば、一般的に「自分を犠牲にする覚悟があれば、物事はうまく行く」と解釈される。…… しかし分析哲学が専門の野矢茂樹さんは「溺れそうになったらむきにならず、力を抜いて身を任せ…

ロヒンギャ問題

ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャへの迫害問題で、国際的な批判が高まっている。40万人超のロヒンギャが迫害を避けるため、隣国バングラデシュに逃れ、難民となっているのだ。 出所:新潟日報オピニオン(2017.9.25) 民族浄化の様相とすら批難さ…

教員の勤務時間

県教委は、県内公立学校の教員を対象にした勤務実態調査の結果を公表した。校内での勤務時間が週60時間以上の教諭は小学校で38.4%、中学校で68.9%、高校は45.3%に上った。…… 平日の正規勤務時間外で最も時間を割いた業務内容は、小学校では「成績処理」、…

ラズ語の禽獣命令詞

黒海の東側、トルコとジョージア(グルジア)の国境付近で話されている「ラズ語」には、言語学者の小島剛一さんが禽獣命令詞と名付けた独特の言葉がある。 例えばネコに向かって「餌をあげるから来い」は「キティキティキティ」、これがニワトリなら「プリー…

猫は固体か、液体か?

「猫は固体か、液体か?」。インターネット上で目にした問いに、フランス人の学者は悩んだ。物理学に基づき導き出した答えは「液体にもなれる」。 猫がどんな小さなスペースにでも入る体の柔らかさに着目した。「液体は容器に合わせて形を変える」との定義を…

デンマークの子育て

デンマークは北欧の小国で、……近年は経済協力開発機構(OECD)が調査する「世界一幸福な国」にほぼ毎年選ばれ、注目されている。 その理由は福祉国家ゆえの幸福感でなく、むしろ子育てにあるそうだ。目指すところは「折れない心」を持ち、情緒が安定した子ど…

再生医療安全性確保法違反

三つ前の投稿で臍帯血(さいたいけつ)バンクについての記事を挙げたばかりだが、無届けでおこなわれた提供が摘発されたとして、紙面上で話題になっている。 臍帯血による再生医療を無届けで行ったとして、愛媛など4府県警の合同捜査本部が販売業者や医師ら…

住まい

県内の自治体で福祉行政に携わった人は、「ああいうアパートは正直言って、ありがたい」と話していた。火事で全焼し、5人が死亡した横手市のアパートのことである。……全焼したアパートは管理人が常駐し、法令に沿った防災対策をしており、長年の受け入れ実…

自由な猫

イタリアの多くの人に「野良猫」という概念はない。世界中のネコを撮り歩く動物写真家岩合光昭さん(66)によれば、「市民の飼い猫であり自由な猫」(『イタリアの猫』新潮文庫)という存在である。古代ローマが、ネコを大切にするエジプトの影響を受けたた…