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子どもの貧困

 

 本日は子どもの日というわけで、子どもに関する社会問題をテーマとした内容が多かったように思います。今回はその中でも、子どもと貧困について言及したものをピックアックしてみました。

 

 ……厚生労働省の調査では、国内の子どもの貧困率は16.3%だ。6人に1人の子どもが、標準的世帯の半分に満たない家計収入のもとで暮らしている計算になる。

 ……ボランティアが夕食時に1人になる子どもに料理や談笑の場を提供する「こども食堂」が、道内各地で設けられている。

 市民団体などが、母子家庭の子どもを対象に無料学習塾を開く事例も見られる。

 ……ただ、忘れてはならないのは、子どもの貧困を根本的に解決するには、大人の貧困や格差の解消が欠かせないことだ。

〔社説:北海道新聞2016年5月5日。強調は引用者〕

 

 最近では「子どもの貧困」という言葉がよく使われるようになったと感じています。しかし、子どもの貧困というのは、とどのつまり親の貧困なわけです。経済的な余裕のなさは、子どもの教育はもちろんのこと、子どもそのものの出生数を制限する要因ともなります。子ども間の教育格差を広げないための支援と同時に、子どもの親に対しても、十分な収入が得られる雇用支援や、仕事と子育ての両立が可能な労働環境の整備が必要です。

 また、「子どもの貧困」は、やがては「大人の貧困」、そしてさらに、その次世代の「子どもの貧困」へと連鎖するという、きわめて深刻な問題をはらんでいます。

 

 ……金銭的に追い詰められた生活は、子どもの心身の成長に暗い影を落とす。進学や就職の選択を奪われることも多い。

 その結果、不安定な低収入の仕事へと導かれ、生活の困窮が次の子どもの世代に引き継がれる。いわゆる「貧困の連鎖」である。

 ……能力に応じた教育の機会均等は、憲法によって保障されている。親の経済力に左右されず、十分な教育を受けられる環境は、貧困の連鎖を絶つには不可欠である。

〔社説:西日本新聞2016年5月5日〕

 

 子どもたちには、自分にどんな未来の選択肢があるのかという「情報」と、能力を育てていくための「教育」、そして、意欲と能力にかなった将来の「選択」ができるという、それぞれの平等が必要です。それが親の所得によって(大きく)制限されることのない制度が理想的ではないでしょうか。

 本人の意欲と能力にもかかわらず、経済的な問題によって進学や就職をあきらめねばならないとすれば、それは日本社会にとっても優秀な人材の損失につながります。

 

dd.hokkaido-np.co.jp

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