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新聞のコラムや社説をながめてみる

ゲノム編集

科学・生命倫理

 

 ……ゲノム編集は生き物の設計図であるゲノムと呼ばれる遺伝情報を効率的に改変する技術だ。
 ……日本や欧米では、これまでヒト受精卵の遺伝子操作は原則的に禁止されてきた。人間を「改造」できる可能性もあり、ドイツやフランスは法律で禁じ、米国もこうした研究へ連邦政府資金投入を控えてきた。
 受精卵は「生命の萌芽」として倫理的に尊重されるべきで、人為的に改変すれば影響は生まれてくる子だけでなく、次世代まで広がる恐れがあるためだ。
 ところが中国の研究チームが昨年4月、世界で初めて人の受精卵を操作し、異常な遺伝子の修復が可能かどうかを調べたと発表した。これを機に研究の是非や規制の在り方を巡る議論が起き、英国の研究規制機関ヒト受精・発生学委員会(HFEA)は今年2月、基礎研究を国レベルとして初めて承認した。
 生命倫理専門調査会は各国の動向を踏まえ、日本でも現時点での臨床利用を明確に禁じる一方、人の受精卵を使わなければできない基礎研究に限定して門戸を開くべきと提言した。
 ……倫理的な課題を解決するには生命科学や法律の専門家だけでなく、哲学や宗教なども含めた幅広い分野の意見に耳を傾ける必要がある。国民に広く開かれた議論が欠かせない。

〔社説:京都新聞2016年5月15日。強調は引用者〕

 

 科学的に発展の余地がある場合、それを倫理的な判断であえて手を出さないでおくことは、賢明で理性的だと思います。しかし、追究していきたい、構造を解明して人類の発展に役立てたいという性質も、人は持っています。これは抑えがたい欲求なのではないでしょうか。

 個人的には、触れずにそっとしておきたい分野だと思いますが、こうした研究の発展を心待ちにしている人もいるのかもしれません。人の受精卵を使わなければできない基礎研究。どういうものなんでしょうね。それって、もはや、人体実験ではないのかな。

 

京都新聞 社説 - 受精卵の操作