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sleep like a log

新聞のコラムや社説をながめてみる

岸政彦氏のブックマーク

 

 岸政彦氏という、龍谷大学社会学者。最近ちょっと気になります。

 大型書店の本棚で『断片的なものの社会学』を見かけたとき、その書名とカバー写真の感傷的な雰囲気が、目は引かれたけれどもあまり好みではなく、ただ記憶の隅に残っていました。たまたま、毎日新聞で書いているコラムが面白いという評判を目にして読んでみたら、しみじみとした良い文章だなと思いました。

 

 ……そのおじいも、大阪に出稼ぎに出ていた沖縄出身の両親のもとに生まれ、そして4歳になって初めて、沖縄に帰ってきた。

 帰ってきたとき覚えてる?と聞いたら、意外なことを言った。ああ、よく覚えてますよ。まぶしかったです。

 まぶしかったって、どういうことなのと聞くと、それは道路のことだという。戦後かなり経つまで、沖縄の道路はアスファルトではなく、白い石灰砂が撒かれていた。すでに黒いアスファルト舗装が進んでいた大阪で生まれた彼にとって、初めて見る故郷の沖縄は、真っ白でまぶしい土地だったのだ。

 個人史を聞くとは、こういうことである。タクシーでのたわいない世間話からでも、こうした豊かなディテールは、私たちの感情を強く揺さぶる。……

〔岸政彦「ブックマーク」毎日新聞2016年4月4日〕

 

 「個人史を聞くとは、こういうことである。」

 そうかぁ、こういうことかぁ、と、言葉が直接、感覚に響いてくるような、そんな感じの文章を書く。

 

▼岸政彦「ブックマーク:まぶしかった沖縄」http://mainichi.jp/articles/20160404/dde/018/070/061000c

 

▼ブログも面白いです。

sociologbook – 岸政彦のBlog