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新聞のコラムや社説をながめてみる

取り調べの可視化:刑事訴訟法改正案

 

 

 司法取引の導入や通信傍受の対象拡大、警察・検察による取り調べの録音・録画(可視化)の義務化を盛り込んだ刑事訴訟法などの改正案が参院で可決された。……

 可視化は、本来の趣旨から言えば全事件・全過程であるべきだ。しかし、今回の対象は裁判員裁判事件と検察の独自捜査事件に限られ、全体の3%程度。過去、多くの冤罪被害者が出ている痴漢や選挙違反などは含まれない。逮捕前や起訴後の「任意の取り調べ」も除外。その上「取調官が十分な供述を得られないと判断した場合」などは可視化しなくてもいいという例外まで設けられた。……

〔社説:愛媛新聞2016年5月22日。強調は引用者〕

 

 取り調べの録音・録画の義務化自体は歓迎すべきことのように思われます。

 しかし、対象が限られたり、例外が設けられたりすると、録音・録画がなされていない取り調べにおける警察・検察の手法が、かえって不透明性を増すのではないでしょうか。義務化が全体の3%って、ただの試験運用としか……今後、拡大されていくというのならよいのですが。

 日本以外では可視化の制度が進んでいるので、諸外国の制度や問題点を参考にできるはずです(映像の選別・加工によっては、これが新たな冤罪を生む可能性もあります)。罪を刑法のもとで適切に裁くこと、そして、それ以上に、無実の罪で裁かれるようなことが起きないこと。そのための可視化であってほしいと思います。

 

改正刑訴法成立へ 冤罪防止より公権肥大の危うさ | 社説 | 愛媛新聞ONLINE

 

▼こちらは、冤罪防止のための録音・録画制度のはずが、今回の改正ではかえって冤罪のリスクが高まる可能性を指摘する論調

社説「刑訴法改正へ 冤罪生むリスクはらむ」中国新聞2016年5月22日

http://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=249575&comment_sub_id=0&category_id=142