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無戸籍問題

  生まれた子との親子関係を否定する「嫡出否認」の訴えを夫にのみ認める民法の規定は憲法違反として、60代の女性が娘や孫とともに国に損害賠償を求め神戸地裁に提訴した。女性は約30年前に夫の暴力から逃れ、離婚前に別の男性との間に娘が生まれたが、民法の別の規定により元夫の子と推定されることから、出生届を出さなかった。
 その結果として、まず娘が、続いて孫2人も無戸籍となった。別の規定とは「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」とするもの。この「嫡出推定」と嫡出否認という二つの規定、さらに女性の再婚禁止期間の規定が「無戸籍問題」の背景にあり、法改正を訴える声が後を絶たない。……
  法務省は現在、702人の無戸籍者を確認しているが、氷山の一角にすぎないといわれ、実態調査も急ぐ必要がある。

【茨城新聞】無戸籍問題 法整備、ニーズ高まる(2016.9.1)*強調は引用者

 

 702人ってことはないだろう、とは思います。実際にそういう知り合いがいるわけではありませんが、人口が1億2000万人もあって、日本の戸籍が届け出制であることも考えると、もっとたくさんいるでしょう。

 ここでは無戸籍に至るまでの問題(のひとつ)が取り上げられていますが、無戸籍者が戸籍を得るまでの問題もあるのだろうと思います。

 戸籍制度というのは、世界的にみると珍しい制度のようですね。日本や中国あたりだけのようです。上記のような問題も、家族単位で登録する制度だからこそ発生するのだといえます。婚姻関係や家族関係が多様化し、そうしたあり方を認めようとする社会の流れに沿えば、今世紀の間に「個籍」制度に移行する、なんてこともありうるかもしれません。

 

法務省:無戸籍の方が自らを戸籍に記載するための手続等について