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されどトイレ

レビドラマ『離婚弁護士』で主演の天海祐希さんがセクハラされた女性の職場に乗り込む場面。トイレが男女共用であることに、セクハラ問題に鈍感な会社の体質を暗示させる。
トランプ米政権が、自己認識に基づく性別でトイレを使用させるように求めたオバマ前政権の通達を撤回した。背景に、性的少数者に配慮してトイレの男女別は廃止すべきだとの主張の急速な台頭がある。当然、なぜ区別をなくすのか分からないという人たちがいる。……

出典:伊勢新聞(2017.3.1)

 たかがトイレ、されどトイレ(……いや、たかが、ということはないか)。なんて微妙で難しい問題でしょうか。オバマ氏の考え方も、トランプ氏の考え方も理解できる。

 わが社のトイレは男女共用ですが、公共施設のようなものではなく、自宅にあるようなトイレなので、バッティングしたりはしません。さすがに個室の扉の向こうに男性がいたら、出るものも出なくなりそう。でも、女性専用のトイレであれば、なにか汚れや忘れ物があったとしても暗黙のうちにカバーし合えるけれど、同じトイレを男性も使用するので、自分が用を足した後は、矯めつ眇めつ眺めて、なんの落ち度もないか、しつこくチェックしてしまいます。たぶん、あいつトイレ長いなって思われてる。

 しかし、男女ではっきり住み分けされることが、必ずしも居心地のいいものでないこともまた、事実であると思います。体の性と性自認が一致していない場合、心の性と異なるトイレを使うことは苦痛だろうし、かといって、心の性と同じトイレを使うこともまた、苦痛でしょう。トランスジェンダーだと公言しているようなもの。それ自体は何も恥じることではありませんが、セクシャリティをどれほどオープンにし、あるいは閉ざしておくかなんて、きわめてプライベートで、かたく尊重されてしかるべき問題なのだから。