sleep like a log

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8月6日の朝

月6日の朝、屋外作業をしていた広島二中の1年生たちの頭上で原爆はさく裂した。……同じ1年生に竹田雅郎くんがいた。神戸に住む弟の雅博さんに話をうかがったことがある。焼け野原を探しまわって、父がやっと見つけだしたのは黒焦げの弁当箱。まわりの砂を遺骨代わりに詰め、持ち帰った。

 弁当箱を長らく自宅の蔵にしまい、生前は多くを語ろうとしなかった父の、その胸の内を絞り出したかのような歌が墓所の碑に刻まれる。〈親として親らしきこともしもえせで逝きしいとし子よゆるせこの親〉……

出典:神戸新聞NEXT|正平調|(2018.8.6)

 

 故郷ではその時間になるとサイレンが鳴る。8月9日は登校日で、それぞれの教室で黙とうをする。おそらく広島でもそうでしょう。土地を離れると、たいへん静かなので、こうしてニュースに触れない限り、知らないうちにその日が終わっていたりします。

 それはもはや悪いことではないし、幸せなことだと思います。でも、ときどき、幸せなことだということを思い出したい。