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持っている武器の心細さ

 ギリシャで、持っている武器の心細さを嘆く子に、親が言った言葉だという。「汝の一歩を加えて、剣の短きを長くせよ」。英国の著述家スマイルズの『自助論』にある。不利に見える境遇を克服するのは、一歩前に出る勇気である。そう語っていようか。

 出典:中日春秋:中日春秋(朝刊コラム):中日新聞(CHUNICHI Web)

 しかし、相手だって一歩を踏み出すだろう。自分の一歩は心細く、相手に勝る武器は心強い。

 不利な状況を克服させるのは勇気より冷静さだと思う。ところが、不利な状況にある者はもちろん冷静な状態にはない。この冷静さを獲得するために、勇気が必要なのかもしれない。よくいう「肝が据わっている」というのは、こういうことなのではないか。無謀ではなく冷静であるということ。臆病な人間にこそ必要な、あるいは、備わっているものだ。